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観光業は、働き方改革にどう取り組むか?

ご無沙汰しております(笑)、4月1日の働き方改革関連法の対応ラッシュで更新が滞っていました。観光業からの問い合わせが増えているため、観光業向けの働き方改革について5回程書いてみます。


 1.働き方関連法のスケジュールと観光業への影響

 いよいよ4月から、70年ぶりに労基法の大改正がスタートします。4月の施行まで準備期間が短かったこともあり、36協定の締結と届出、年5日の年次有給休暇の対応等に苦労された企業も多かったと思われます。しかし、働き方改革はまだ始まったばかりです。働き方改革は、以下の表のように3つの課題、9つのテーマ、19の対応策が示され、2026年までのロードマップが示されているのです。観光業にも影響のあるテーマとして、2020年から大企業と派遣業(企業規模にかかわらず)同一労働同一賃金がスタートします。外国人材の受け入れ整備も待ったなしです。働き方改革に取り組む企業とそうでない企業において、職場の魅力や人材確保に加えて業績の向上にも、大きな差が出てくるのではないでしょうか。


   「働き方改革実行計画 (工程表)」(働き方改革実現会議) 


2.若者は観光業を就職先としてどう捉えているのか

 若者が観光業を就職先としてどう捉えているのか、2019年卒マイナビ大学生業界イメージ調査によると、ホテル・旅行業界のプラスイメージとして、「人の役に立つ」(30.7%)、「明るさ・楽しさ」(21.2%)が上位に挙げられる一方で、マイナスイメージとして、「休暇休日・休暇・労働時間」(34.6%)、「給与・待遇」(14.5.%)などが上位に挙げられ、大学生にとって、労働環境が業界のマイナスイメージと感じていることがわかります。小職も、新卒から約15年間旅行会社にお世話になりました。今は改善されてきたようですが、営業や添乗をしていた頃の労働時間は長く、休みは取りやすいとは言えない環境でした。けれども、お客様の笑顔を感じることができて、仕事への熱意や働きがいが、労働環境のマイナス要因を補っていたように思います。しかし、長年そのような生活が必要な業界であると、若者だけでなく、働きがいのある業界でも、定着率や健康の問題、場合によっては労働問題にも繋がりかねません。観光業がより魅力的な業界へと発展していくためには、長時間・過重労働を是正して、観光業自ら有給休暇の取得を促進できるような環境に、スモールステップでも良いので取り組んでいく必要があるでしょう。


3.働き方改革を稼ぎ方改革に!

 経営者と「働き方改革」について話していると、残業削減や沢山休ませることだと捉え、会社にメリットがないと考えている方もいるように感じることがあります。本当にそうでしょうか?厚生労働省の働き方改革実行計画を読むと、働き方改革のポイントとして、「労働参加率の向上」「単位時間当たりの労働生産性向上」、「成長と分配の好循環」が挙げられています。経営者にとって「働き方改革」は、「稼ぎ方改革」でもあるのです。小職は、取り組むなら、「企業の目標達成や強みをつくるための働き方改革」にすることをお勧めしています。観光業の働き方改革は、自社をより魅力的な職場環境にすることだけでなく、お客様の働き方改革も支援できる業界です。観光業は、笑顔を作る仕事ですが、観光業で働く人の笑顔が、より輝く職場になるような取り組みを次回以降にお伝えします。





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