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ひっそり出ていた改正法QA(安衛法編)

更新日:2019年1月11日


なんと、12月28日付で改正労基法と安衛法のQA通達が2本掲載されています。1月7日にひっそりリリースされていたようです(泣)重要な通達なのでもっとバーン!と年内にリリースしてください(泣)労基法編の方が重要なのですが、ボリュームが多くて間に合いませんでした。皆さんは、すぐにご覧になってください。

 

では、安衛法の通達から、重要そうなQAを見てみましょう。下線は小職記載です。

「基発1228第16号労働安全衛生法の解釈について」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322_00001.html



問8:「労働時間の状況」として、事業者は、どのようなことを把握すればよいか。


答8:新安衛法第66 条の8の3に規定する労働時間の状況の把握とは、労働者の健康確保措置を適切に実施する観点から、労働者がいかなる時間帯にどの程度の時間、労務を提供し得る状態にあったかを把握するものである。

 事業者が労働時間の状況を把握する方法としては、原則として、タイムカード、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間(ログインからログアウトまでの時間)の記録、事業者(事業者から労働時間の状況を管理する権限を委譲された者を含む。)の現認等の客観的な記録により、労働者の労働日ごとの出退勤時刻や入退室時刻の記録等を把握しなければならない。

 なお、労働時間の状況の把握は、労働基準法施行規則(昭和22 年厚生省令第23 号)第54 条第1項第5号に掲げる賃金台帳に記入した労働時間数をもって、それに代えることができるものである。

 ただし、労基法第41 条各号に掲げる者(以下「管理監督者等」という。)並びに労基法第38 条の2に規定する事業場外労働のみなし労働時間制が適用される労働者(以下「事業場外労働のみなし労働時間制の適用者」という。)並びに労基法第38 条の3第1項及び第38 条の4第1項に規定する業務に従事する労働者(以下「裁量労働制の適用者」という。)については、この限りではない。


コメント:労働時間の状況の把握とは「労働者がいかなる時間帯にどの程度の時間、労務を提供し得る状態にあったかを把握するもの」で、労働時間とイコールではないという点を押さえておきましょう。また、労働時間の状況の把握は、賃金台帳に記入した労働時間数でも良いとなっています。ただし、管理監督者やみなし労働時間制の対象者は、この方法ではないですよ、ということが書かれています。


問10:労働時間の状況を把握しなければならない労働者には、裁量労働制の適用者や管理監督者も含まれるか。


答10:労働時間の状況の把握は、労働者の健康確保措置を適切に実施するためのものであり、その対象となる労働者は、新労基法第41 条の2第1項に規定する業務に従事する労働者(高度プロフェッショナル制度の適用者)を除き、①研究開発業務従事者、②事業場外労働のみなし労働時間制の適用者、③裁量労働制の適用者、④管理監督者等、⑤労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60 年法律第88 号)第2条第2号に規定する労働者(派遣労働者)、⑥短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年法律第76 号)第2条に規定する労働者(短時間労働者)、⑦労働契約法(平成19 年法律第128 号)第17 条第1項に規定する労働契約を締結した労働者(有期契約労働者)を含めた全ての労働者である。


コメント:要は、高プロ(高プロは健康管理時間(在社時間と社外にいた時間の合計)という別の基準がある)を除き、「労働時間の状況を把握しなさい」ということです。では、どうしたら良いのかという答えが、問11、問12の回答のようですが、わかりにくい・・・。


問12:労働時間の状況の把握方法について、「やむを得ず客観的な方法により把握し難い場合」とは、どのようなものか。


答12:「やむを得ず客観的な方法により把握し難い場合」としては、例えば、労働者が事業場外において行う業務に直行又は直帰する場合など、事業者の現認を含め、労働時間の状況を客観的に把握する手段がない場合があり、この場合に該当するかは、当該労働者の働き方の実態や法の趣旨を踏まえ、適切な方法を個別に判断すること。

 ただし、労働者が事業場外において行う業務に直行又は直帰する場合などにおいても、例えば、事業場外から社内システムにアクセスすることが可能であり、客観的な方法による労働時間の状況を把握できる場合もあるため、直行又は直帰であることのみを理由として、自己申告により労働時間の状況を把握することは、認められない。

 また、タイムカードによる出退勤時刻や入退室時刻の記録やパーソナルコンピュータの使用時間の記録などのデータを有する場合や事業者の現認により当該労働者の労働時間を把握できる場合にもかかわらず、自己申告による把握のみにより労働時間の状況を把握することは、認められない。


コメント:直行直帰の場合、把握する方法がないのは仕方ないけど、勤怠システム等で把握できるなら把握してね。また、タイムカードやパソコンの使用記録があるのに、自己申告だはダメよ、ということなのだと思います。紹介できませんでしたが問11の回答も含め自己申告の把握は実質かなりハードルが高くなっています。また、安衛法の労働時間の把握は健康確保措置のためで、イコール労基法の労働時間ではありません。しかし、限りなく労基法の労働時間に近い時間で、監督署の労働時間への指導に影響が出るのではないでしょうか。


 自己申告で労働時間を把握している会社は、4月までに勤怠システムを入れて労働時間を把握することを検討するのか、オススメしませんが行けるところまで自己申告で行くのか決断が必要です。まだ間に合います。専門家を交えて対策を検討しましょう!




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