厚生労働省の最新リーフレット「年5日の年次有給休暇の確実な取得わかりやすい解説」の解説

最終更新: 2019年1月6日

 写真は、年末に関与先から頂いた西荻窪「こけし屋」さんのアップルパイです。濃厚なパイに、甘酸っぱい形のよいリンゴがいっぱい入っていて、コーヒーとの組み合わせが絶品です。




 さて、前回解説したリーフレット「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」に加えて「年5日の年次有給休暇の確実な取得わかりやすい解説」(以下:リーフレット)がリリースされました。3つポイントを解説して2018年を締めくくりたいと思います。


 「年5日の年次有給休暇の確実な取得わかりやすい」リーフレット

  https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322_00001.html


1.就業規則の規程例がリリース

 リリースされた規定例は基本的な例です。実際には入社日から年休を付与する会社、入社した年と翌年で年次有給休暇の付与日が異なる会社、入社時に1部付与する会社があると思います。自社にあった形でアレンジすることが必要です。なかなか大変な作業になるので、年明け早々には検討を始めましょう!


(規定例)第○条

1項~4項(略)(※)厚生労働省HPで公開しているモデル就業規則をご参照ください。

5 第1項又は第2項の年次有給休暇が10日以上与えられた労働者に対しては、第3項の規定にかかわらず、付与日から1年以内に、当該労働者の有する年次有給休暇日数のうち5日について、会社が労働者の意見を聴取し、その意見を尊重した上で、あらかじめ時季を指定して取得させる。ただし、労働者が第3項又は第4項の規定による年次有給休暇を取得した場合においては、当該取得した日数分を5日から控除するものとする。


2.会社独自の特別休暇を廃止して、年休に上乗せしてその休暇から5日取得させても良いのか?

 現状の休暇に加えてプラス5日の年休取得が厳しため、このような対応を考えている企業もあるようです。


 QA6の回答を見ると「特別休暇について、今回の改正を契機に廃止し、年次有給休暇に振り替えることは、 法改正の趣旨に沿わないものであるとともに、労働者と合意をすることなく就業規則を変更することにより特別休暇を年次有給休暇に振り替えた後の要件・効果が労働者にとって不利益と認められる場合は、就業規則の不利益変更法理に照らして合理的なものである必要があります」と記載されています。



 要は、禁止とまでは言えないが、年休取得の趣旨に沿わない対応で就業規則の不利益変更になると無効になる場合があるということです。も、特別休暇が年休にオンされて取得できる日数が変わらないなら、休暇より取得理由の広い年休が増えたほうが、労働者にとって有利な場合もあると思います。ただし、所定労働日が増える場合には、労働者にとって、時間外労働の単価が多少下がる不利益ははあるかもしれません。

3.年5日の取得ができなかった労働者が1名でもいたら、すぐに一人30万円の罰則になるのか?

 確かに年5日の年次有給休暇を取得させなかった場合、30万円以下の罰則が適用されます。QA6の回答には、「法違反として取り扱うこととなりますが、労働基準監督署の監督指導において、法違反が認められた場合は、原則としてその是正に向けて丁寧に指導し、改善を図っていただくこととしています」と記載されています。



 要は、すぐに罰則を適用しないけど「重大・悪質な場合は送検するかもよ」ということだと思います。罰則の適用を受けるには、通常は、是正勧告→再監督でも是正されていない→事業主が従わない重大・悪質な事案と判断→捜査→送検→起訴→判決 

 という流れになります。


 企業は、すぐに年休が取れる体制づくりや年休取得のプロモーションを検討する必要があります。また、年休が取得しづらい企業は、今後採用や人材の定着に影響するかもしれません。さらに、労基署から是正勧告を受けると、年休だけでなく労働時間や賃金不払い等も含めた再監督の対象になるため注意が必要です。


では、皆さま良いお年をお迎えください。

改正労基法年休対応サービスも提供しています。お気軽にご相談ください。


① 自社で対応するので年休規定例のみほしい

② 年休規定の改定や年休管理簿を作成をしてほしい

③ ②+年休取得プロモーション等も一緒に考えてほしい

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